市役所が「失敗」と認める誘致駅・山陽新幹線新尾道駅の駅舎
山陽新幹線の新尾道駅は、請願駅の失敗例として引き合いに出されっぱなしだ。
自分がそのことを知ったのは2013年12月15日のTBSテレビ「噂の!東京マガジン」で、埼玉県北本市に請願駅を設置するかどうかの住民投票が15日に行われるとの話が出た際、「失敗例」として新尾道駅の名前が出され、尾道市役所の対応者自身が認めてしまっていると、元NHKアナウンサーの森本毅郎氏が原稿を読み上げてしまった事がきっかけである。
新尾道駅の話が出たからではないが、年末30日の旅程を組んだ。
広島空港(9時過ぎ)→レンタカーで東へ→返却→新幹線で18時に京都
これを満たせる手段を組み合わせて行ったところ、レンタカーを返却するところは、山陽新幹線の福山駅か新尾道駅近くの営業所でしかなくなる。だが、クルマでの時間経過を合わせると、福山まで行ってしまうと18時に京都に着けないので、新尾道駅で返すことにした。
15時59分発のこだまで福山へ、福山でのぞみに乗り換えて京都へ。
そんなスケジュールにした。
三原市内を東に向かった。糸崎駅前にいたのは14時半ごろだった。
その後、国道2号を東に進んで尾道市内に入った。尾道の中心地に近づくにつれ、渋滞になっていった。
新尾道駅を15時59分に発つこだまに乗れるのかしら? と思った。
だが、尾道駅に向かう国道2号から、新尾道駅に向かう国道184号に入ったら、渋滞から解放された。
レンタカー営業所で車を返し、切符を買ってからこだまに乗る想定スケジュール通りに行けた。
国道184号では、反対車線が渋滞していた。
この日は12月30日だったので、「買い物渋滞」としか考えられなかった。


尾道駅方面へ向かうと思われる渋滞が途切れ、そのまま進むと、駅に近づく。近くのレンタカー営業所でクルマを返した。そして新尾道駅に向かった。南口に着いた。
信用金庫と、学習塾があったのことは確認できたが、どう見ても駅以外はただの住宅街。
駅の真ん前でさえ商店の気配がない。
全体的に新しいのではあるが、新幹線の駅前とはとても思えない、ガランとした雰囲気だった。
駅舎が立派過ぎる。新幹線の駅前には必ずあるとしても構わない、ビジネスホテルすらなかった。

駅の通路を抜ければ、簡単に北口に出られる。ちょうど駅を降りたばかりの乗客が出てきたタイミングだった。
マイカーでの出迎えを受けていた人もいた。
よくある光景だなぁ。
それはそれでいいのだが、北口も新幹線駅の前っぽくない。
写真にしなかったが、写真を写した場所で振り返ると、がらーんとした光景が広がっている。
新尾道駅のイメージは、「駅を作って開発しましょう」の夢が破れてしまった跡だ。

上り線プラットフォームから、下り線の駅名標を写した。
この写真だけでは、商店などがやって来なかった「期待外れ」の駅前なんて想像しようもない。
やってくる「こだま」を待っていたのが冬空のもとだったので、寒くて当たり前なのだが、寒々とした駅前を見てしまった後だけに、余計に寒さを感じてしまったのだった。

定刻通りにやってきた新幹線500系「こだま」で、福山駅へ向かった。
新尾道駅がうまく行っていないことは、TBSの言い方には関係なく、地図を見ただけでも自明だった。
観光客が「倉敷」に行く場合、山陽新幹線の新倉敷駅を使うケースはあまりなく、岡山駅から在来線に乗って行くのが主流である。「広島・九州の西の人<東京・関西など東の人」ですから。
観光客が「尾道」に行く場合は「倉敷」パターンに似ている。「東京・関西など東の人」は、福山駅から在来線に乗ってやって来る。「広島・九州の西の人」は三原駅から在来線に乗ってやってくる。違うのは、倉敷に「新尾道」相当の駅がない事である。新尾道をスタートして尾道観光なんて、非現実的なことは地図を見れば一目瞭然だった。
実際に新尾道駅に行ってみたら、地図を見ただけの机上の論理以上に、ダメダメだった。
新尾道駅を尾道観光のスタートにするだなんて、尾道観光協会ですら勧めていない。
東京もん、大阪もんなど、地元の実情を知らないよそ者が、旅行番組の映像を撮るぐらいしか考えにくい。
尾道駅近くにはレンタサイクル周辺を扱うところがあるが、新尾道駅の近くでは需要が見込めないのでムリ。
新尾道駅を積極的に使うのは、リアルに半径1km程度の住民と、「修学旅行の集合地」で利用を強制される尾道市立小中学校の生徒ぐらいと思われ。
それから、新尾道駅は、ひょっとしたら山陽新幹線・岡山=博多間の開業時に設けられる可能性もあったことが、ウィキペディアの記述から読み取ることができた。福山駅と広島駅の間にひとつ駅を設置する意向があったようで、候補に「新尾道」もあったとのこと。しかし、三原市が強烈な誘致活動を行った結果、尾道に新幹線の駅ができることはなかった。
もし、岡山=博多間の開業時に「新尾道」駅を設けることになっていたら…やっぱり失敗駅と扱われていたに違いない。
もしもの話を作れなくはないが、あまりいい話には持っていけない。
悪夢を復活させただけじゃないか。ヘンな公務員の功名心が、負の遺産を残してしまったんだな。
修学旅行の集合駅にするとか、分かりにくい形で市民にツケが回されているような気がしないでもない。
自分がそのことを知ったのは2013年12月15日のTBSテレビ「噂の!東京マガジン」で、埼玉県北本市に請願駅を設置するかどうかの住民投票が15日に行われるとの話が出た際、「失敗例」として新尾道駅の名前が出され、尾道市役所の対応者自身が認めてしまっていると、元NHKアナウンサーの森本毅郎氏が原稿を読み上げてしまった事がきっかけである。
新尾道駅の話が出たからではないが、年末30日の旅程を組んだ。
広島空港(9時過ぎ)→レンタカーで東へ→返却→新幹線で18時に京都
これを満たせる手段を組み合わせて行ったところ、レンタカーを返却するところは、山陽新幹線の福山駅か新尾道駅近くの営業所でしかなくなる。だが、クルマでの時間経過を合わせると、福山まで行ってしまうと18時に京都に着けないので、新尾道駅で返すことにした。
15時59分発のこだまで福山へ、福山でのぞみに乗り換えて京都へ。
そんなスケジュールにした。
三原市内を東に向かった。糸崎駅前にいたのは14時半ごろだった。
その後、国道2号を東に進んで尾道市内に入った。尾道の中心地に近づくにつれ、渋滞になっていった。
新尾道駅を15時59分に発つこだまに乗れるのかしら? と思った。
だが、尾道駅に向かう国道2号から、新尾道駅に向かう国道184号に入ったら、渋滞から解放された。
レンタカー営業所で車を返し、切符を買ってからこだまに乗る想定スケジュール通りに行けた。
国道184号では、反対車線が渋滞していた。
この日は12月30日だったので、「買い物渋滞」としか考えられなかった。


尾道駅方面へ向かうと思われる渋滞が途切れ、そのまま進むと、駅に近づく。近くのレンタカー営業所でクルマを返した。そして新尾道駅に向かった。南口に着いた。
信用金庫と、学習塾があったのことは確認できたが、どう見ても駅以外はただの住宅街。
駅の真ん前でさえ商店の気配がない。
全体的に新しいのではあるが、新幹線の駅前とはとても思えない、ガランとした雰囲気だった。
駅舎が立派過ぎる。新幹線の駅前には必ずあるとしても構わない、ビジネスホテルすらなかった。

駅の通路を抜ければ、簡単に北口に出られる。ちょうど駅を降りたばかりの乗客が出てきたタイミングだった。
マイカーでの出迎えを受けていた人もいた。
よくある光景だなぁ。
それはそれでいいのだが、北口も新幹線駅の前っぽくない。
写真にしなかったが、写真を写した場所で振り返ると、がらーんとした光景が広がっている。
新尾道駅のイメージは、「駅を作って開発しましょう」の夢が破れてしまった跡だ。

上り線プラットフォームから、下り線の駅名標を写した。
この写真だけでは、商店などがやって来なかった「期待外れ」の駅前なんて想像しようもない。
やってくる「こだま」を待っていたのが冬空のもとだったので、寒くて当たり前なのだが、寒々とした駅前を見てしまった後だけに、余計に寒さを感じてしまったのだった。

定刻通りにやってきた新幹線500系「こだま」で、福山駅へ向かった。
新尾道駅がうまく行っていないことは、TBSの言い方には関係なく、地図を見ただけでも自明だった。
観光客が「倉敷」に行く場合、山陽新幹線の新倉敷駅を使うケースはあまりなく、岡山駅から在来線に乗って行くのが主流である。「広島・九州の西の人<東京・関西など東の人」ですから。
観光客が「尾道」に行く場合は「倉敷」パターンに似ている。「東京・関西など東の人」は、福山駅から在来線に乗ってやって来る。「広島・九州の西の人」は三原駅から在来線に乗ってやってくる。違うのは、倉敷に「新尾道」相当の駅がない事である。新尾道をスタートして尾道観光なんて、非現実的なことは地図を見れば一目瞭然だった。
実際に新尾道駅に行ってみたら、地図を見ただけの机上の論理以上に、ダメダメだった。
新尾道駅を尾道観光のスタートにするだなんて、尾道観光協会ですら勧めていない。
東京もん、大阪もんなど、地元の実情を知らないよそ者が、旅行番組の映像を撮るぐらいしか考えにくい。
尾道駅近くにはレンタサイクル周辺を扱うところがあるが、新尾道駅の近くでは需要が見込めないのでムリ。
新尾道駅を積極的に使うのは、リアルに半径1km程度の住民と、「修学旅行の集合地」で利用を強制される尾道市立小中学校の生徒ぐらいと思われ。
それから、新尾道駅は、ひょっとしたら山陽新幹線・岡山=博多間の開業時に設けられる可能性もあったことが、ウィキペディアの記述から読み取ることができた。福山駅と広島駅の間にひとつ駅を設置する意向があったようで、候補に「新尾道」もあったとのこと。しかし、三原市が強烈な誘致活動を行った結果、尾道に新幹線の駅ができることはなかった。
もし、岡山=博多間の開業時に「新尾道」駅を設けることになっていたら…やっぱり失敗駅と扱われていたに違いない。
もしもの話を作れなくはないが、あまりいい話には持っていけない。
悪夢を復活させただけじゃないか。ヘンな公務員の功名心が、負の遺産を残してしまったんだな。
修学旅行の集合駅にするとか、分かりにくい形で市民にツケが回されているような気がしないでもない。
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