NHKスペシャル「無縁社会 新たな“つながり”を求めて」を見て その2

NHKスペシャルでときどき放送される「無縁社会」シリーズはその放送内容の重さから、大きな注目を浴びる。わざわざプロジェクトを組んでまでやっているキャンペーンなので、NHKが力を入れているのは間違いないが、予想以上に注目を浴びてしまい、造りに矛盾が出る部分も見えてしまう。

その1の続きです。






(4)24時間365日インターネットでつながる
  • 無縁社会と若い世代

  • 見知らぬ相手と会話をする人が増えている

が主題。

それでも、どちらかと言えばネガティヴなトーンで取り上げていた感あり。
だが、必ずしもリアルワールドでつながらなくてもいいんでないかい?
いい人間関係が保てれば、どちらもツールなのですから。

無縁社会放送の5時間前、よみうりテレビ制作のミヤネ屋で、俳優の鶴見辰吾が自転車にはまって、周囲の人ばかりか、ブログでもそのことを言っていたら、自転車の大家になってしまったことが紹介されていた。
自身が自転車の大会に出て優勝してしまったとか、横浜(のどこかまでは言っていなかったが)浦安の50kmほどの移動を2時間15分でやったとか、飯がうまいなどなどがミヤネ屋での内容だった。
小栗旬や深田恭子の自転車購入につきあったってことも言っていた。
それから、ブログでの情報発信をきっかけに、巨大なサークルまでできてしまった。

いい関係ができれば、手段はなんでもいいんです。

4-1 ネコビデオ氏(31・男性)
人選に悪意を感じたりもした。
黒縁メガネ、小デブ、無精ひげ、チェックの上着…いかにも否定的な意味での「オタク」を絵にかいたような人。
大手電機メーカーのSEだが、過労で体調を崩し、休職して自宅にいる。デスクトップPCにはビデオカメラが取り付けられ、テレビ電話さながらの状態になっている。
彼はニコニコ生放送に興じていた。
「ふむふむ」「そだな」「ほいほーい」
「トイレに行ってきます」
「すーぱーリスナータイムきたー」
「がらがらガッシャン」

4-2 みつき@なごや氏(38・女性)
こちらも人選に悪意を感じたりもした。
いかにも中年太りの独身女性って感じ。
この映像は、ニュースウォッチ9でも取り上げられたものを使いまわしていた。
ひとり居酒屋に入り、テーブルの上に手羽先などを並べた先にASUSの白いノートパソコンが。ビデオカメラ付き。
ただ、彼女がたどった人生を見ると、世相や親に翻弄されたって感じがありありと。
(1)かつてイベントの司会をしていた
(2)父親の介護で仕事を続けられなくなった。毎日、父親の病院に通う
(3)同世代の家庭を持つ友人たちと疎遠
(4)結婚を考える余裕もない。将来独りきりになってしまうのではないか。その不安で中継を始めた。

4-3 オレンジ野郎氏(26・男性)
丸坊主の髪形。自室でPCのディスプレイを見ながら、両耳にイヤホン、左手にはタバコ。
寝る前のひととき、ネット中継に興じる。マイクに向かってしゃべる。毎晩「おやすみ」を言う。
中学当時の友人とルームシェアで暮らしている。つながりを求めるのはインターネット。
米シアトル大学を卒業後、ITベンチャーに入社も過労やストレスで退社、その後は転職を繰り返す。

「実社会での“つながり”は役に立たない」彼は言った。

この3人について、「なんでリアルワールドでつながりを持たないのよ」って暗に言っているような映像構成だった。
最後の締めが、『インターネット中継 140万人/月』だったが、流れで言えば、なんでこんなにいるんだ!ってことになってしまう。
人選を見てしまうと、外見だけで納得させられる面があるので、悪意を感じざるを得ない。

遠距離恋愛でインターネット電話でも使わんと身も持たないし、カネも続かんってケースはあるだろが!
鶴見辰吾みたいなケースもある。
それから、身近なところが排他的だったり、同好の士が物理的に遠かったり、直接会って探していては手間暇かかり過ぎるケースもあるのだ。
そのことをはしょって、十把一絡げに「アカン」とやるのはいかがなものか。
ネット依存症みたいな弊害があることは否定できないものの、そちらの面ばかりを強調するのは不当である。

(5)「働く」という“つながり”
冒頭で、お茶の水の聖橋から秋葉原方向にファインダーを向け、中央線が神田方向に、丸の内線の車両が双方向で動く映像が写された。
でも、別に丸の内の三菱地所ビル群でも、西新宿の高層ビル群でも構わない。製作者がこの映像を選んだに過ぎない。

ここでは、野田康光(31・男性、仮名)が顔を出して出てきた。
彼は1年前、自殺を考えた。
  • 2年前、派遣契約を打ち切られた
    (リーマンショックの直前から、需要減の傾向がはっきりあったので、その頃に切られたってことか)

  • 今は生活保護で食いつなぐ
    (リーマンショック後の2009年正月、年越し派遣村があったおかげで、失業し、蓄えがない人に生活保護の支給が出やすくなったので、それで受給しているのだろうか)

  • 頼れる人はいない。アパートで一人暮らし

  • 50社以上採用試験を受けたが、不採用が続く


「社会から認めてもらいたい」
「生きる意味が見出せない」

新宿駅の東口を、アルタ前を歩く絵が。そこに「派遣先では番号で呼ばれていた」って文字が。

先月(具体的にいつかは触れられていない」)、野田と同時期に派遣切りにあった44歳男性が自殺した。
同じ境遇の者が月1回集まる。命を絶ったのはその中の一人。集まりの席で黙とう。
44歳男性は生前、「仕事をしないと生きている実感が持てない」「このまま生活保護を受けていたらダメになる」と言っていた。
番組中では、3か月前の44歳男性生前映像も流された。

44歳男性は無縁仏として荼毘に付された。

働けないこと、それは人としての尊厳を奪うことだ。

(その3に続く)





2011/02/12 02:29
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原発は放射性廃棄物の無害化技術が実用化されたら賛成に回ります。

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