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NHKスペシャル・無縁社会 ~“無縁死” 3万2千人の衝撃~を見て

NHKスペシャル・無縁社会 ~“無縁死” 3万2千人の衝撃~
ひたすら重たい番組だった。
無縁死というか、行旅死亡人は、判っただけでも3万2千人(2008)と紹介していた。実例を挙げて、どうなったかを紹介する構成だった。





【すでに亡くなってしまった人の追跡調査】
(1)秋田出身、1935年生まれで73歳で亡くなってしまった男性のケース
 単純に不幸な人生が続いてしまった形。
 夜間高校中退後就職後、就職するも倒産。上京して食いつないていたがそのまま力尽きてしまった形だった。
 兄弟もなかったようで、無縁死となるしかなかった。
(2)死後、献体として大学病院に提供された人のケース
 兄は生活の事情で葬式を出すこともできず、献体提供に承諾するしかなかった。
 豪宅といっていいところに住む叔父は、戒名をつけたものの、苗字が違うことで墓に入れるのを断念した。
 結局、大学の納骨室に番号で安置されている。

【いまも生きている人の例】
(3)高卒で三菱銀行入行後、会社人間で過ごした挙句、40歳で体を壊してしまった。
 50代で熟年離婚。子供2人は妻が引き取った。
 定年後すぐ老人ホームへ入所した。糖尿病にうつの症状が出ていて、食事制限が掛けられている。
 銀行員当時の会社以外を省みない人生を後悔している。
(4)看護師として結婚の機会すらなかった女性(79歳)。
 40歳でマンション購入後はひとり暮らし。
 看護師についたことに悔いはないものの、結婚の機会がなかったことには悔いが残っている。
(4)57歳で亡くなった男性
 あまりその人についての印象は残らなかったが、北海道に住む姉は体が弱っていてどうすることもできず、自治体によって処分される形に。

番組の流れはこんな感じだ。ひたすら重たい内容だった。
番組では、お年寄りを例にしていたが、これを20代、30代、40代にあてはめるともっと深刻な事態となってしまう。

(1)のケースは、今の20代、30代ではもっと深刻。
高校を卒業していなければ、事実上まともな職業からは締め出されているに等しい。
高校・大学を卒業していたところで、35歳になってしまうとブラック企業・ブラックバイトを除けばロクな仕事もないのが現実。
低賃金で結婚からも締め出される人が増える中、将来を暗示しているように見るしかなかった。

(2)のケースは、低賃金化による蓄えの減少が生じていることで、遺体の引取りを拒否されることは増えるので、献体に処するかどうかは別に、死体を処理される扱いは増えざるを得ないと言うこと。

(3)のケースも深刻化している。
この人は「家庭を顧みず」だったが、最近は成果主義とかブラック企業のような「企業の搾取」が起きまくっているので、結果的に「家庭を顧みない」人は増加してしまっている。

(4)のケースも、バブル崩壊の1990年代を境に急増している感じ。
ムリヤリくっつけようとしなくなったのはいいのだが、仕事以外は関わりたくない!と思わせるような組織にしたのが始まりだ。
イヤな時間を引きずるのを嫌がるのは人の本能である。
90年代までにある程度の地位に就いた世代が、後の世代を犠牲にしてツケを回した結果だ。

2030年には、生涯未婚者が男性は3分の1、女性は4分の1になると言っていたが、あたりまえだ。
社会コストに対して低賃金過ぎては、そんなのあきらめるしかないのだ。

(5)のケースはどうにもならない。
単身者が増えてしまえば、自治体による処置が増えてしまうだけだ。

結局、番組で取り上げられていたことは、これからはもっと増えてしまうと言うことだ。
では、どう解決していくかなんてことは一切取り上げられなかった。
時間的に無理だった。おそらく、どうすべきかって番組があとで組まれることなのでしょう。

この項は以上です。




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テーマ : 貧困問題
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原発は放射性廃棄物の無害化技術が実用化されたら賛成に回ります。

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