10/06/09の市況
「最小不幸社会」と、一国の宰相になった菅直人が昨日言った。「最小→"minimized"」。いかにも理系人間が使いそうな言葉だ。
バブルが崩壊したあとの平成の日本は、「宰相不幸社会」を絵に描いたような社会になってしまった。鳩山由紀夫も、麻生太郎も、福田康夫も、安倍晋三も・・・。菅直人が「宰相不幸社会」に名を連ねないで頂きたいものですが・・・。「一"菅"の終わり」に日本は追い詰められている。
ハンガリーを何で表せばいいんだろう・・・と先日書いたが、今度は「ヨーグルト」と明治乳業のおかげで表せるようになったブルガリアで、財政不信の事態が表面化してしまった。
デザートにヨーグルトを
なんてのんきなことなど言ってられない。「デザート」もフルーツのような"dessert"ではなくて、砂漠の"desert"って感じになりつつある。ギリシャに端を発して、ポルトガル、スペイン・・・。南アワールドカップの開幕によって、いやでも海外を意識させられるのだが、よりによってPIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)が予選32ヶ国に含まれている。ヨハネスブルクは大丈夫か? などの報道をテレビで見るが、出場国にPIGSが並んでしまうと口蹄疫の被害拡散であるかのように思えてしまう。
P&Gの生活用品でキレイにして、明治のヨーグルトで健康に気をつけよう。
そんな意識を持とうとしても、根こそぎ踏み潰されるような感じ。やっとれんわ。「宰相不幸社会」に陥ってしまった日本で、「最大不幸社会」を見せ付けられる気がしてしまいます。
プレーンなのでいろいろな使い方の出来るヨーグルトです明治 ブルガリアヨーグルト(LB81)プレーン 450g
きょうの株式市場は、昨日のニューヨークがどうかなんて全く関係なし。とにかく売りが出続ける流れだった。株価指数は今年の最安値をつけてしまった。
気がつけば、ソニーやパナソニックの株価は年初来高値から3割下がってしまった。トヨタや日産は4分の1近く下がってしまった。
そんなほぼ全面安の中、なぜかJR、NTT/KDDI、電力、JTだけが高くなる展開。
日中の値動きを見ると、寄付きから9時半の間が底で、その後グインと高くなっているのが共通している。この動き、はっきりと見覚えがある。一昨年11-12月と同じだ。そのときは、年金資金が無茶苦茶な買いをこれらに入れて、株価を周囲から見て不当に高くしていた。
確かに、NTTを筆頭に、KDDI、JR西日本、九州電力などPBR1倍割れしてしまったところが続出しているのは事実だ。海外の悪影響を直接受けにくいため、外需系よりは下げ幅が小さくなるのは当然だが、外需系企業からの売り上げ減少は起きてしまうので、これらが高くなる理由などないのだ。
要するに、一昨年の冬にも出た「株を買いささえろ」の口先介入が、今週に入って与党から出たので、無難な民営化株や電力株を年金資金運用者が安直な判断で買ってしまった結果の歪みだ。KDDIも、出自にはKDD(国際電信電話)があるため、NTTほどではないにしても、民営化の要素はあるのだ。
結局、全面安と、年金資金運用者のド下手な買いがあらわになってしまった今日の相場だった。「カネの行き先が、民営化株や電力株に集まってしまった」のは事実であるが、こんな歪んだ理由しか思い浮かばないため、ロクでもないと評する以外にありません。こんなことでは、政権がいくら変わっても、将来不安は増幅させられるだけだ!
なお、全体を俯瞰すると、JRではない鉄道株、都市ガス株、キッコーマンに味の素、ソフトバンクなどは高くなっているので、年金に頭が回らなければ、単に「外需を売って内需・ディフェンシブ株を買った」となってしまいます。それにしたって、企業も政府もやばいのに、政府に近い株を買ってどうするんだろうか???
日経平均 9,439.13 ▼98.81
TOPIX 850.37 ▼7.96
JASDAQ 50.91 ▼0.15
今日のKDDIの動きを見ると、割安すぎることを無視すれば、正気の上げではなかった。ちょっと安く始まり、相場の流れにあわせて414500円まで下がったあたりまでは納得できたが、その後429000円まで噴き上がるってどういうことですか? 差額14500円。約3.5%。どうみたって正気の沙汰じゃあない。終値も7000円高の427500円。単純に上がったから・・・の判断をしなければ、今日の動きはやりすぎ。
一昨年冬の異様な値動きは、自分が意識したものでは関西電力、中部電力、NTTドコモ、KDDIがあった。11月から翌年1月までの動きを見ていただければいいのだが、そのときはリーマンショック以前の8月以前の水準まで上がっていたのだ。
しかし、そんな異常値は長く続かなかった。
今回の政権交代によって、菅政権が早速口先介入をやったのは想像に難くない。しかし、このことが、民営化株・電力株に異常高値を生むのも現実。こんなキチガイじみた買い支えなどやらせてはいけません。
昨年3月のどん底株価を、景気の底を再来させたいのか? いい加減にしてくれ!
まさか、選挙対策なんてことはないでしょうね。
一昨年晩秋のときは、総選挙を「やるやる」と言っていた時期だった(実際には、解散ができずじまいで任期満了まで引きずってしまった)。今回は7月11日に参議院選挙が行われる。選挙対策のためだけに、下手な株価対策は打たないでいただきたい!
最後に、まともな話を。iPadなどを組み立てる富士康の中国工場で、自殺者が多発してしまったことを受け、待遇改善が図られることになった。この動きは、中国全土の多くの企業に広がるはず。一見いい話なのだが、株の世界ではそうもいかない。「待遇改善=コスト上昇」だからだ。中国でユニクロの服を作っているファーストリテイリングはそんな一例です。(12720▼230)
今日のカキコは終わりです。
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