いま隣にある貧困~中央公論4月号から
木曜日だったか、A書店にて平積みされていた中央公論4月号の表紙をみて気になってしまい、思わず立ち読みしてしまいました。
それでも満足できず、金曜日にB書店で800円出して買ってしまい、土曜日に特集「いま隣にある貧困」の記事を与謝野馨×田原総一郎の対談や東国原知事の寄稿と合わせてきちんと読むこととなりました。
http://www.chuko.co.jp/koron/
特集● いま隣にある貧困
戦後初めて、若者が路上に放り出される時代
「ティッシュを食べて飢えをしのぐなんて普通です」(雨宮)
対談 佐藤 優、雨宮処凛
〈家族と企業福祉が壊れた後で〉
分断された人々をどう救うか 岩田正美
高学歴でも転落するフリーター博士に出口はあるか 水月昭道
〈「ネットカフェ難民」急増の構図〉
“貧困ビジネス”が弱者を食い物にする 水島宏明
〈派遣法〝改正〟の裏側〉
明日のない働き方が底辺を蝕む 北 健一
〈ルポ●生活保護に見捨てられる〉
自治体の“節約”が低所得者の命を脅かす 葉上太郎
尚、以下では大雑把に感じたことを書いて見ることにします(詳しく書くと著作権に抵触しかねないため)。
それから、貧困が結婚機会の喪失につながっていることも論理的に書かれています。結婚機会喪失が少子化に直結していることは説明するまでもない。
最近の女性を管理職への風潮や、育児支援の充実も間違いではないが、それを推し進める一員が「少子化」なのだから、ここは貧困対策を優先すべきだろう。
(ちょっと、女性の待遇是正問題については、かなりヘンな感じを受けている。過剰待遇と冷遇がごちゃまぜになっているように感じるが、この点はここで触れない)
優秀な女性を反故にすること自体は反対だ。
しかし、
「Aさん♂」<「Bさん♀」≒「Cさん♂」<「Dさん♂」<「Eさん♀」
みたいな関係があったとき、優秀なEさんを反故にするのはもってのほかだが、女性を登用せよとの理由で「Dさん」の代わりに「Bさん」を登用
するケースも散見されるのが実態。Dさんは当然恨みを持つことになります。しかし、こんなことを理解するような上層部はいないというのが残念な実態です。
外国人の小錦を横綱にしなかった日本相撲協会の例が、分かりやすいと思います。
そのほか、(2)「たくさんの企業が恨みの対象になっている」のケースは、NECビッグローブ/NECにあてはめてみることにします。
(NECビッグローブのサーバを利用しているのが、例に挙げた理由です)
BIGLOBEに加入しないことは簡単です。パソコンやケータイあたりでも、会社支給でもない限り簡単に拒絶できます。
ところが「NECに恨みがあるからNECのレジがある店には行かない」となると、7-11、ローソン、サークルKサンクスをはじめかなりのコンビニにいけなくなってしまいます。吉野家やほっかほっか亭にすら行けない。
三井住友銀行のATMはOKIとか富士通あたりだったはずだが、客の目に直接触れない銀行システムはNECだったりするので見た目では拒絶できない。
同じ事をIntelでやろうとすれば、コンピュータはApple限定になってしまう。
三菱東京UFJ銀行の拒絶を名古屋市民がやろうとすると、個人レベルではゆうちょ銀行しか選べなくなってしまう。
また、これを読むと「ネットカフェ難民」の言葉を作ったのが日本テレビのディレクターだったということも分かりました。
◆◆◆◆
かつて文藝春秋2006年4月号の
『ルポ 下層社会 - 改革に捨てられた家族を見よ -』
にて、足立区の就学援助が2004年度に42.5%に達したということで気になって読んで見たことがありました。
これは戦後の東京膨張の過程で、通常の所得では入居できない都営住宅が足立区に配置されてしまったのが
原因のひとつと思えるので、この点は足立区を責められない。
しかし、その内容を一通り読んだあと重たい気分になったのを覚えています。
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_keiei/261toei2.htmから抜粋
家族の人数と、家族の給与総額の上限
2人 415万円
3人 462万円
4人 510万円
5人 557万円
6人 605万円
『ルポ 下層社会 - 改革に捨てられた家族を見よ -』に関するブログ
◎下層社会 報道
◎『ルポ 下層社会』を深読みしてみた
◎佐野さんには足立区に住んでもらいたい…
◎足立区 ~ルポ下層社会~
◎東京23区の格差地図-就学援助率-
◎足立区は「下層社会」って、本当ですか?
◎文藝春秋四月号「ルポ下層社会」について
その後、(毎日新聞だったと思うが)大阪の新聞で、大阪府摂津市の就学援助率が異常に高かったというのも読んだことがあります。
それでも満足できず、金曜日にB書店で800円出して買ってしまい、土曜日に特集「いま隣にある貧困」の記事を与謝野馨×田原総一郎の対談や東国原知事の寄稿と合わせてきちんと読むこととなりました。
http://www.chuko.co.jp/koron/
特集● いま隣にある貧困
戦後初めて、若者が路上に放り出される時代
「ティッシュを食べて飢えをしのぐなんて普通です」(雨宮)
対談 佐藤 優、雨宮処凛
〈家族と企業福祉が壊れた後で〉
分断された人々をどう救うか 岩田正美
高学歴でも転落するフリーター博士に出口はあるか 水月昭道
〈「ネットカフェ難民」急増の構図〉
“貧困ビジネス”が弱者を食い物にする 水島宏明
〈派遣法〝改正〟の裏側〉
明日のない働き方が底辺を蝕む 北 健一
〈ルポ●生活保護に見捨てられる〉
自治体の“節約”が低所得者の命を脅かす 葉上太郎
尚、以下では大雑把に感じたことを書いて見ることにします(詳しく書くと著作権に抵触しかねないため)。
- 新宿区のある一角にはネットカフェ・ファストフード・コインロッカーなどが集中する一角が出てきている
→東京・山谷はバックパッカーの宿屋街に変じつつあるが、その代わりにこうした一角が登場し始めたということか。
公園や河川敷のホームレスにも言えるが、こうした層の偏在地域が移動したものと読み替えても不思議はない。 - 「たくさんの企業が恨みの対象になっている」というのはあたっている。
ここではキヤノンの例が出ていて、「キヤノンの製品など見たくもない、工場のある市内には絶対に行かない」と書かれている。
これはよく理解できる。キヤノン製品は、カメラやコピー機などがいたるところにあるのでまだ対処ができる。
トヨタやパナソニック、シャープでも似た話を目にする。
しかし、これが凸版印刷や大日本印刷みたいな会社だったりすると手のうちようがない。だからといって、ゴミ箱雑誌回収隊に参入などしたくもない。
東京電力や東京ガスだったらエリア外に引っ越さない限り完全にアウト。 - ホームレスでもネットカフェ難民でも、社会的に排除された存在となっている
これもよくわかる。レベルをここまで下げなくても、ラインを外された老若男女の扱いもこんなものとわかる。 - グッドウィルや日研総業の派遣搾取の状況(殺さない程度に搾り取る)は言い古されている通り
- この国では、一旦ラインから外れると立ち直れない
ここではポスドクや中高年失業の件が書かれている。
この国では、企業や役所での新卒採用での失敗どころか、ラインから外されたり、不当待遇を受けたり、一回でも外れ仕事をさせられたら将来は暗い。
そんな状況だから、腐るどころか社会や会社に怨念しか持たない社員が続出する結果となっている。 - 巨万の富を築いたやつは存在が貧困者の恨みの対象になってしまうので、富を維持するためにバラまきをやる
笹川一族の日本財団がまさにそれ。ビルゲイツもそれをやろうとし始めている。
それから、貧困が結婚機会の喪失につながっていることも論理的に書かれています。結婚機会喪失が少子化に直結していることは説明するまでもない。
最近の女性を管理職への風潮や、育児支援の充実も間違いではないが、それを推し進める一員が「少子化」なのだから、ここは貧困対策を優先すべきだろう。
(ちょっと、女性の待遇是正問題については、かなりヘンな感じを受けている。過剰待遇と冷遇がごちゃまぜになっているように感じるが、この点はここで触れない)
優秀な女性を反故にすること自体は反対だ。
しかし、
「Aさん♂」<「Bさん♀」≒「Cさん♂」<「Dさん♂」<「Eさん♀」
みたいな関係があったとき、優秀なEさんを反故にするのはもってのほかだが、女性を登用せよとの理由で「Dさん」の代わりに「Bさん」を登用
するケースも散見されるのが実態。Dさんは当然恨みを持つことになります。しかし、こんなことを理解するような上層部はいないというのが残念な実態です。
外国人の小錦を横綱にしなかった日本相撲協会の例が、分かりやすいと思います。
そのほか、(2)「たくさんの企業が恨みの対象になっている」のケースは、NECビッグローブ/NECにあてはめてみることにします。
(NECビッグローブのサーバを利用しているのが、例に挙げた理由です)
BIGLOBEに加入しないことは簡単です。パソコンやケータイあたりでも、会社支給でもない限り簡単に拒絶できます。
ところが「NECに恨みがあるからNECのレジがある店には行かない」となると、7-11、ローソン、サークルKサンクスをはじめかなりのコンビニにいけなくなってしまいます。吉野家やほっかほっか亭にすら行けない。
三井住友銀行のATMはOKIとか富士通あたりだったはずだが、客の目に直接触れない銀行システムはNECだったりするので見た目では拒絶できない。
同じ事をIntelでやろうとすれば、コンピュータはApple限定になってしまう。
三菱東京UFJ銀行の拒絶を名古屋市民がやろうとすると、個人レベルではゆうちょ銀行しか選べなくなってしまう。
また、これを読むと「ネットカフェ難民」の言葉を作ったのが日本テレビのディレクターだったということも分かりました。
◆◆◆◆
かつて文藝春秋2006年4月号の
『ルポ 下層社会 - 改革に捨てられた家族を見よ -』
にて、足立区の就学援助が2004年度に42.5%に達したということで気になって読んで見たことがありました。
これは戦後の東京膨張の過程で、通常の所得では入居できない都営住宅が足立区に配置されてしまったのが
原因のひとつと思えるので、この点は足立区を責められない。
しかし、その内容を一通り読んだあと重たい気分になったのを覚えています。
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_keiei/261toei2.htmから抜粋
家族の人数と、家族の給与総額の上限
2人 415万円
3人 462万円
4人 510万円
5人 557万円
6人 605万円
『ルポ 下層社会 - 改革に捨てられた家族を見よ -』に関するブログ
◎下層社会 報道
◎『ルポ 下層社会』を深読みしてみた
◎佐野さんには足立区に住んでもらいたい…
◎足立区 ~ルポ下層社会~
◎東京23区の格差地図-就学援助率-
◎足立区は「下層社会」って、本当ですか?
◎文藝春秋四月号「ルポ下層社会」について
その後、(毎日新聞だったと思うが)大阪の新聞で、大阪府摂津市の就学援助率が異常に高かったというのも読んだことがあります。
- 関連記事
-
- 中国でもメイド喫茶。「お帰りなさい、ご主人様」 (2008/04/04)
- ラジオスターとプロ野球 (2008/03/20)
- いま隣にある貧困~中央公論4月号から (2008/03/15)
- 「社内うつ」の続き (2008/01/10)
- 社内うつ (2008/01/10)
スポンサーサイト