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時間が止まってしまったかのような、南海汐見橋駅(その2)

南海電車の汐見橋駅、存在感がないとはっきり言い切れてしまう。
駅の建物が隣のオートバックスより小さい。一軒家にしては大きいが、オフィスビルとしては小ぶりだ。

このそもそもの原因は、直線距離で2kmほどの難波駅の存在にあると思える。
路線構成から、岸里玉出~高野山までの「高野線」を汐見橋に向かわせるより、難波に向かわせるのが筋となる。

そんなことで、じわじわと岸里玉出から汐見橋へ向かう部分は、徐々に存在価値が下がって行った。
かつては高野線で全線線路がつながっていたのであるが、今では岸里玉出で分断されてしまった後だ。
岸里玉出~高野山までの「高野線」は現役バリバリだが、岸里玉出~汐見橋についてはどうやっても廃止待ちとしか考えられなくなってしまった。

多摩川線はローカル線の雰囲気をプンプン漂わせているが廃止の気配なんて全く感じられない。
その一方、汐見橋支線は構想段階の「なにわ筋線」が作られたら廃止になる運命である。

なにわ筋線のコースは、
①汐見橋支線の地下化込み
②難波から直行
のどちらかとされているが、どちらに転んでも現・汐見橋駅はお役御免を待つしかない。

なにわ筋線の建設が消滅したとしても、汐見橋支線そのものが赤字路線そのものなので、いつ廃止が決断されても驚けない。

そんなこんなで、汐見橋駅は最小限しか設備投資をしない気配しか感じられない。
老朽化の足音が、じわじわと目立ち始めている。

その1では、千日前通りから見た写真しか載せなかったが、ここでは駅舎に入っての写真と、なにわ筋側(阪神高速下)から写した写真を並べる形です。







南海汐見橋駅3
南海汐見橋駅4
千日前通りに面する入口を抜けると、改札前に出る。
始発駅で自動改札機が2台、小さな駅であると分かる。

電車に乗ろうとする人は、駅の全体をいちいち見ようとはしないので、それでおしまい。

しかし、自分は「時間があるから駅の写真でも撮って行こう」だけだったので、全体像を見ることとなった。

嫌でも目に入ってしまうのは、改札の真上の壁面である。
ボロボロになった「南海沿線観光案内図」…痛々しい。

その場では痛々しさしか感じられなかった。
この案内図が、どのあたりを指しているかなんてさっぱりわからなかった。

難波、和歌山、高野山は載せているんだろなぁ…とは思えたが、路線図の見やすさのために地図の縮尺がズタズタにされているので、どこがどこだか特定ができなかった。

写っているボロボロの案内図は、1956年当時のものがそのままなのでは? としか今となっては考えられない。

案内図が指す訳の分からない赤線について書くため、ウィキペディアで南海電鉄の年表をみたら、何者か一部はわかった形である。1971年3月31日を以って廃止となった、「南海和歌山軌道線」が載せられていたのはわかった。

地図の下部にある赤線が、和歌山~海南の「南海和歌山軌道線」ならば、地図の左は淡路島らしいとなんとか理解した。

ただ、このあたりを調べないと、

地図の左の陸地らしいものは四国?
地図の下部の赤線あたりに(本州最南端の)潮岬を載せているんですか?

などなど、現実的にピント外れなことが頭によぎるしかなかったのだった。

肉眼で見たときはもちろん、写真の画像を改めて見てもだが、案内図にあったはずの文字なんて一文字も読めなくなってしまっているのですから。

この案内図が、汐見橋駅の朽ち果てぶりを象徴しているように思えるのである。

南海汐見橋駅5
駅の窓口、自動券売機、運賃表が並んでいる。
この駅の規模なら自然な並びである。

一番目が行くのは、木造の窓口になる。
1956年に建てられたものを、補修しながら使い続けているものと考えられる。

券売機や運賃表は当然のように新しい。
時計も時代物の雰囲気なんてない。

南海汐見橋駅6
運賃表の真上に掲げられる時刻表である。
Really? と思ってしまった。

毎時2本ずつしか運行されていない。

大都市・大阪市内の鉄道ダイヤとは到底考えられなかった。

南海汐見橋駅7
改札前を出て、フェンスの金網越しにホームが見える、なにわ筋、高速高架下へ移動した。

車止めがあるのは、始発駅・終着駅らしいものである。
とはいえ、車止めに木材が使われているのを見てしまうと、時代を感じざるを得なくなってしまう。

南海汐見橋駅8
ホームの屋根から吊り下げられる形で設置されている駅名標。
まず、字体に昭和を感じる。駅ナンバリングは後付けと明らかにわかる。

汐見橋駅には、吊り下げられる駅名標が2基設置されている。
両面で表示板が4枚となっている。

1基2面の字体が昭和で、もう1基2面は平成っぽい。

字体が昭和/平成なのは大した問題ではないが、駅名標の下にある広告掲示欄から、広告が消えていたのは悲しい。

かつては難波の高島屋大阪店、沿線の芦原自動車学校が広告を出していたことが、ネットに散らばる写真から見て取れたが、今は2基ある駅名標から、広告が一切なくなってしまっている。

南海汐見橋駅9
汐見橋駅の近くに、阪神なんば線の桜川駅がある。
地下を走る形で阪神なんば線が2009年3月20日に開業している。
このアングルでは、「駅の看板の真新しさと、ホームの古ぼけ方が合っていない」となってしまう。
桜川駅は阪神で、汐見橋駅は南海なので、合っていなくてもなんの不思議さもない。



いつ廃止になっても驚けない地上駅であることは否定しようもない。
そんな気配が、そこいらじゅうに見えてしまう汐見橋駅です。


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黄海…もとい後悔三国(中華人民共和国、大韓民国、朝鮮民主主義共和国)は反日で構わないが、プロパガンダで貶めるから嫌いです。
原発は放射性廃棄物の無害化技術が実用化されたら賛成に回ります。

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