10/01/26の市況
世間では不況というか、縮小均衡の流れとなってしまっている。
デフレが意味するところは縮小均衡。またその流れが現れてしまった。
有楽町マリオンに入居していた西武百貨店が年内閉鎖へ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100126-00000576-san-bus_all
そうは言っても、有楽町にはマルイもあるし、銀座に入ればすぐにプランタン。銀座通りも遠くない。一番店がなくなるわけじゃないのでそんなに騒ぐまでもないか。西武の代わりがヤマダ電機。やりかねないな。
◇ ◇ ◇
きのう、KDDIが2010/3期の3Q決算を発表している。
そこで、今期の純利益が下方修正されることが発表されている(※1)。また、ジュピターテレコム(J:COM)の株式37.8%を3617億円(@139500)で取得することも発表されている。
そんなことで、KDDIは寄り付き前から大量に売られる事態に陥ってしまった。寄り付いたのは場が開いて14分後。3万円安の498000円で寄り付いた。その後も売りは止まらず、9時42分には482000円(46000円安)まで売られる始末。その後持ち直すものの、アジア株安に引っ張られる形で下げてしまい、大引け間際の14時59分には481500円まで売られる有様。1月の最安値は4日・5日の494000円なので、"2010年最安値"(※2)って形になってしまった。大発会から20日もかけて3万円余りも上げてきたのが、たった15分でご破算になった上に、熨斗までついてきた形となり、6時間ほど後にはそれすら下回る事態に。
だが、KDDIの決算内容を見る限り、ここまでドスンと売られる理由が見当たらない。昨日のクレディスイスに続いて、シティがKDDI株の格下げをやったのも一因だと思う。どうみたって、株の世界でご法度な「狼狽売り」がしこたま出てしまった結果としか考えられないのだ。
当期純利益が下方修正されたことで、ネガティヴサプライズになったのは否定できないものの、下方修正の理由を見ると、余剰設備を処分することが理由なのでそれほどネガティヴになる必要もない。
J:COMの買収価格については、とりあえず今月のレンジ、85400-97400で考えればおよそ5割も高く買い取る計算になるのだが、J:COMが関東・関西及び札幌、仙台、福岡・北九州に持つ回線網を電話事業に流用できるメリットもある。J:COMユーザーをKDDIのサービスへ誘導することも可能だ。@139500はちょっとプレミアムをつけすぎと思えなくはないものの、KDDIの事業展開で考えればそんなに悪い話じゃない。
KDDIが、昨日の決算発表で下げるのは仕方がないとしても、内容に特段ヘンなところも見当たらなかったので、1%とかの小幅下げになると想像していたのが正直なところ。それが、寄り付き段階で5.6%も下がり、大引けでは8.6%も下がってしまうとは・・・狼狽売りで安くしすぎです。
業績下方修正があったとはいえ、1株利益予想は50515円、12月時点の1株純資産は451523円。今日の終値、482500円で計算すれば、PERは9.55倍。PBRは1.06倍。十分に出遅れている。冷静にならなくても安過ぎと言えてしまいます。
出遅れ物色すべきところが、出遅れを助長してしまった。なんてバカバカしい相場なんだろう・・・。
※1 KDDIの決算短信・11ページから
【業績予想の修正理由】
固定電話事業のネットワークスリム化(低稼働設備の集約、撤去等)に伴う事業構造改革費用及び減損損失等として特別損失約550億円を見込むため、当期純利益を前回発表予想の2,550億円から2,250億円へと下方修正しております。
※2 日本では、1-3月の間は、前年1月からの当日までの最安値を「年初来安値」といいます。従って、上では「2010年最安値」と言い換える形にしています。
きのう、当ブログが殺気立っていると指摘されてしまった。それは認めざるを得ません。しっかし、今日のKDDIの下げみたいに、冷静な判断などなくしてしまったかのような値動きが見つかりすぎる現実があって、その傾向を強くしてしまっているのかもしれない。
◇ ◇ ◇
今日の東京株式は、前場はマチマチって雰囲気が強かったものの、中国の金融引き締め観測を受けてアジア市場が下がったほか、円が対ドル・対ユーロで円高に向かったのを受けて、下げ幅を広げる展開になった。
日経平均 10,325.28 ▼187.41
TOPIX 916.40 ▼18.19
JASDAQ 50.14 ▼0.75
上述の通り、今日の悪の枢軸はKDDIで仕方がない。日経平均寄与度で、あのファーストリテイリングを凌駕してしまう有様。狂っている。時々、常軌を逸した上げ・下げを演じるKDDIではあるが、きょうは下げ過ぎ。暴落としか言えない。
きのう「上げざるを得なさそうだ」って書いたのはものの見事に外れてしまった。しかし、ここまで下げるほどのインパクトなど見当たらない。出来高も、通常の1万から2万株ってところが、今日は63118株も出来高がある。
短期売買が大量に発生したことは間違いなさそうだが、今日のところは狼狽売りの結果として構わないはずです。
今日はKDDI暴落への怒りに終始してしまいました。以上です。